コラム:「星の王子様」

星の王子さま表紙
星の王子さま表紙

こんにちは! 羅王です。

 

年末年始は尾道市因島の実家に帰省したが、

妻と一緒に犬のハチを連れてよく散歩をした。

 

占いを終えてからだからもう陽は落ちていた。

小学校でリードを放すとハチは嬉しそうに校庭を駆け回る。

 

私は夜空を見上げて、嗚呼、星がきれいだな!

とキラキラしている島の星空に驚いた。

急に、星の王子様の話を思い出した。

 

サン・テグジュペリ著の「星の王子様」の王子様は

明らかに宇宙人というか異星人なのだが、

飛行機乗りの主人公と友だちになるところが気に入っている。

 

最後に彼は自分の惑星に帰ってゆくのだが、

そのときのシーンが一番好きだ。

 

私の記憶では、星の王子様はこう言うのだ:

 

ボクの星は遠いのでこの肉体を持ってはゆけない。

だから、死んだように見えるかもしれないけれど、

そうじゃないんだ。だから悲しまないで欲しい。

 

たとえ、自分の星に帰ってもボクたちは友だちだ。

キミは一人じゃないよ。夜空に星はたくさんありすぎて、

どれがボクの惑星なのか見分けはつかないだろう。

 

また、遠くて小さいので見えないよ。だから、

ボクを想い出したときボクの星を探さずに、

夜空を見上げてすべての星に対してニッと笑って欲しい。

そうしたら、ボクもそして全部の星たちもニッとキミに笑い返すだろう!

 

ところで、星の王子様は死んでしまったのだろうか? 

 

この物語の読者の多くは、彼は自分の星に帰ったのだ。

でも、この地上ではやっぱり死んだのだ、と思っているだろう。

 

私はそうは思わない。

存在は姿を変えることがあっても、

消滅することはない、と信じているからだ。

 

私の両親はかなり前に他界した。

特に母を見送るとき私はとても悲しんだ。

 

その死の直前、昏睡状態の母は、よそ行きのワンピースを着て私の夢枕に立ち「もう疲れたから行くわ」と告げた。

納骨の時にも「こんな私があなたの母親でよかったのかな」という言葉を残して行った。

 

私の両親はすでに全く違う人として

この地上に転生しているのだと思うこともある。

そして今回の人生で再び私と親しくすることはないのかもしれない。

 

星の王子様の提案を受け容れるなら、

私の両親の生まれ変わりは誰なんだ?と探すことに意味はない。

 

縁のあるすべての子供たちにニコニコ接すればいい。

そうすれば、出会う子供たちみんなが私にニコニコ挨拶を返すだろう。

 

すでに他界した家族、親しい人たちや友人たち、流産したり中絶したり、或は機会がなくて生まれなかった子供たちはみんな、決してあなたに悲しんで欲しいとは思っていないだろう。

 

ただ、あなたらしい人生を全うして欲しいと願っているに違いない。

そして、彼らはといえば、名前を変え、性別を変え、時代を変え、国籍を変えてまたどこかで自分の選んだ人生をニコニコ生きている。

 

彼らは生きている。

他の星に転生しているかもしれない。

決まった形を持たずに生きているのかもしれない。

 

どちらにしても存在は消滅するのではない。

死んだように見えても、実は友だちのままなんだ。

 

星の王子様と同じように。

 

羅王☆(^王^)ノ