エッセイ 「この世の楽園」

ウルグアイの元大統領ムヒカ氏
ウルグアイの元大統領ムヒカ氏

この世の楽園

 

私のタロット講座を受講してくれたある人物が自分の夢は

「この世の楽園」を実現することだと語ってくれたことがある。

 

それは具体的にはどういうことかと質問すると

まだ決まっていないと言葉を濁した。

 

興味深い話だとは思ったがそれ以上追及することは避けた。それ以来「この世の楽園」とは何だろうと時折考えることがある。

 

先日テレビで「世界一貧しい大統領」という番組を見た。

最近世界一高いビルとか広い公園とか速い乗物、又は世界一美味しい食べ物などギネスブック的な流行りにウンザリしていたが、世界一貧しい大統領というのは珍しくて目を引いた。

 

インタビューでウルグアイの元大統領

ムヒカ氏はこんなことを語っていた。

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私は貧しいのではありません。

あり余るお金はないということだけなのです。

 

あなた方は店で何かを買うときにお金を支払っています。

お金で買っていると思っていますがそうではありません。

 

実はそれはその商品やサービスを、

あなたの人生の時間で買っているのです。

 

あなたがそのお金を稼ぐために使った

自分の人生の時間で支払っているのです。

 

豊かになることがより多くを消費することであり、

より多くを稼ぎ出すことであるなら、あなたは山のような請求書を支払うために自分の人生の時間の大部分を使うことになり、あなた自身のための人生の時間はほとんどなくなってしまうでしょう。

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上の画像のように

普段着を着た小柄なお爺ちゃんという印象で

語り口も穏やかな元大統領ムヒカ氏の言葉は印象的だった。

 

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人は進歩するために生まれてきたのではない。

この地上に生まれてきた理由は、幸せになるためだ。

 

幸せは人と人との中から生まれるものであり、

お金からは生まれない。

求めるべきはお金ではなく、人なのだ。

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お金が無くなったり、財政的に将来に不安があると、

宝くじが当たって金持ちになったらなぁと、

誰でも一攫千金を夢見たくなる。

 

そういう夢想は無害で微笑ましいことだと思っていた。

 

確かに宝くじが当たると

請求書の問題は解決するが、幸せの問題は解決しない。

 

元大統領ムヒカ氏のメッセージは、

そのお金に対する幻想を根本的に考え直す必要があり、

もっと豊かになろう、もっと稼こう、頑張って働こうとする

我々への警鐘なのかもしれない。

 

 

そういえば私もドイツから帰国後、

 

なんとかタロット占いで生計を成り立たせようと

頑張っていた頃、よくタロットに問いかけたものだ。

 

どうしたらもっと収入が増すのか?

財政的に豊かになれるか、そのために

ああした方がいいのかこうした方がいいのか?

 

しかし、私の考案した選択肢はすべて却下され

アドバイスはいつも同じ。

 

ただ「人に会いなさい」

とだけ告げられるのであった。

 

それがこの上の画像です。

 

どうやらタロットでの私へのアドバイスと

ムヒカ氏のメッセージには共通点がある。

 

それは豊かになりたいなら人に会え、ということだ。

 

つまり、豊かさと幸せとは人生の時間を自分のために使うことであり、

実はお金を稼ぐこととは対極の関係だというのだ。

 

前述の「この世の楽園」についてはまだ明確な答えは出ていない。

 

多分、私自身が楽園を求めてないからだろう。

 

とはいえ、少なくともその楽園はムヒカ氏の提言に似て、

お金を稼ぎ出すために四苦八苦する必要のない場所に違いない! 

 

そういう私は、

相変わらず宝くじが当たってくれてもいいのだけれど、

とも思う。

 

おいおい羅王、

キミは元大統領から

なんにも学ばないヤツだな~・・・(;^王^)

 

 

 羅王