エッセイ「成功とはなにか?」

成功とはなにか?

 

数年前のことだが、ドイツである歯科医院に通訳として訪れた。小都市で開業しながら、インプラントやその講習、優れた顧客管理システムなど、先端技術の導入にも積極的だった。

 

日本からの視察団の団長らがその経営者夫妻を夕食に招き

「あなた方はどうやって現在のように歯科医院を成功させたのですか?」という質問を伝えたとき、経営者の医師は

「えっ?そうか、我々は成功しているのかな?」と笑顔で妻に問いかけたことを思い出す。

 

「そうかもしれないわね」というのが妻の反応だった。

 

本屋では金持ちの著者による「成功哲学」の本がズラーっと並んでいるのを見かける。パラパラめくると、成功とは、何かを成し遂げて人生のピークに立った一瞬のことではなく成功へ向かうプロセスすべてだ。

 

つまり、何かに挑戦しようと決めた瞬間から始まり、何かを成し遂げた後もずっと続くプロセスであり、人生そのものだと書いてあった。

 

うん、そうかもしれない。ある有名作家がかつて売れない頃、リンゴ箱を机にして凍える指に息を吹きかけながら小説を書いたことも成功プロセスの一部だというのは私もうなづける。

 

とはいえ、アメリカ人の描く成功は必ずお金に換金されなければならないようだ。お金によって報われないなら、それは成功ではないという観念があるように思える。

 

成功とはお金持ちになることなら、それはただの拝金主義だろう。

 

今やその考えは日本にも蔓延している。本当に成功がお金を得ることであるならシンプルだが、多分それは「アメリカンドリーム」の後遺症だ。

 

スラム街で生まれた黒人たちが反乱や革命を起こさないように、彼らにも公平にビッグになるチャンスがあると信じ込ませようとして、せっせとアメリカン・ドリームを夢見させるような映画を製作するのか・・・。

無論、私はそう信じてはいない。

 

私は欧州贔屓で、米国の罠に犯されてはいないからだ。。。

 

じゃあ成功とは何か?と問われても一言では答えられない。ただ、先ほどのドイツ人医師に「成功している」という自覚がなかったように、成功とは実は目に見えないもので、決まった形はないのだと思う。

 

ところで、私も韓ドラで歴史モノを見たりするのだが、その一場面で市場の餅屋に「最近景気はどうだい」とある男が話しかける。

 

餅屋は「へい。初めは大変でしたが、今はどうにかこうにかやってます」と答える。

すると男は「それじゃ、成功してるってことじゃあないか」と返す。

餅屋は「は~、そんなもんですかねぇ」と言って去る。

 

ん~、これもひとつの成功なのかもしれない。

 

私はタロットに問いかける:

「どうしたら私は成功しますか?」と、すると

成功したいなら「ただ人に会え!」と出る。

そして、その結果としてまた次の人に会え!と。

 

そうやって自分らしい占いの仕事でどんどん人に会って共感してゆくことが私の人生の在り方らしい。

潤沢なお金に報われるかどうかは成功の決め手ではない。

 

どうにかこうにか暮らせているので、

どうやら私は今のままで成功しているようだ。

 

やっぱりそうだ!

と言いたいが、

お金で報われないのが残念だ。

 

ん?

やっぱり私も拝金主義者なのか~~~?

アメリカンナイズされているのか~~~?

 

占い師☆羅王 ☆彡(^王^)ノ~♪